うつくしいもの

涼雅はギターをケースにしまい、

それを持ち公園の出口へと歩いて行く



その背中を見ていると、

あっ、と踵を返してこちらを振り向いた




「俺、あの後、お前に電話したんだよ」



「えっ?」


聞こえなかったわけではなくて、

その言葉の意味が理解出来なくて訊き返してしまう




「あの日、引っ越し屋のバイトが終わったのが夕方で、

スタジオ行く迄時間が有ったから、
お前に電話した」





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