うつくしいもの

「あっ、チケット代払わないと」



「俺、やるって言ってんだから、
金はいらねーし。

夕べ、お前にもホテル代出させたし、それでチャラだろ」



「はい……」



いいのかな?
と思いながらも、

これ以上しつこく食い下がったら、
涼雅が怒りそうな気がしてしまう




涼雅はさらに強く、
私の手を握りしめてくれて、

涼雅の方を見ると、ふっと笑ってくれて、

胸がドキドキとした



駅までの道、
私達はそうやって、歩いた



本当に私は涼雅に遊ばれているのかな?って、

幸せ過ぎるからか、錯覚してしまう






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