The Last Love-最後の恋-
「小学校では賞がとれるほどの力がついて、
中学校では全国トップレベルの実力だってついた」
「好きなことだからうまくなりたいし、何よりこの道に進みたいって思った。
そう思って受けたのが―――東雅高校」
「東雅か…ただでさえ高い倍率が今年は倍率20倍だったそうだな」
県立東雅高校。
そこはまさに音楽の全てを統べる超エリート音楽校。
東雅高校の卒業生は国内だけにとどまらず国外で活躍する生徒が8割を占めるという。
「私は必死に勉強した。
周りにある筆記試験がない代わりに毎日和楽器に触れて練習して…。
稽古の先生や母さんにもそれだの実力と努力があればきっと上手くいく、ってそう言われてた。私もその言葉に負けないくらい練習したはずだった。
なのに…サクラは咲かなかった」
そう、努力や好きだという気持ちは報われるものだと思っていた。