蓮華亭へようこそ



相手のご両親に反対されたらされたで、

それは仕方ない事だし、

当然と言えば、当然だし。


だから、蓮条としたら

反対されたら、友人の関係でいいかな?

と、思っていたんです。


それが、すんなり難関をクリア致しまして……。

相手の母親が介護福祉士を取得していて、

少し前まで介護施設で働いていた事もあり、

娘の障害の事に関してはかなり寛容で。


バツイチという事も、別に問題視しておらず、

逆に田舎に嫁に来る事を心配して下さるほど。


蓮条が現在住んでいるのは、

県内4番目の大きさの市の南部。

県境で、東京まで電車で1時間。

結構利便性がある場所なんです。


相手の家は、隣りの県の山を越えた小さな町。

自然保護遺産に指定されるような

自然豊かな場所で、長閑なところ。


蓮条の家から車で1時間の距離。


遊びに行くのはいいけど、

毎日そこで生活するのは、とても不便そうというのが第一印象。



自閉を伴う知的障害を抱えた娘が適応出来るか?

これが、私の最終決断。

娘が適応出来なければ、そこがどこであろうとNGだから。



向こうのご両親が頻繁に連れて来て、

少しずつ慣れさせたらいいと仰り、

それに甘える形で、隔週末にお邪魔するように。

(あっ、勿論、離婚してからですからね!)



初めての場所や初めて会う人には拒絶反応を示す娘が、

何故か、向こうのご自宅にもすんなり溶け込んで

ご両親とも一緒にご飯を食べたり……。


もう、奇跡の連続ですよ……。


恐らく、ご両親が快く接して下さった雰囲気を察知して

娘なりに努力したようにも思います。




そんな中、例の『学区外の特別通学許可』の件で揉めに揉めて。




………続く



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