恋音の葉〈短編〉
A



――A――


緊張して、カチコチで下手っぴなこの音が――の胸に響いてると思うと、どうしても不安だよ。


わたしの音は正直すぎて困る。


心は細かく揺れて、揺れて。


不安定で。


チューナーの針も揺れ動く。



< 9 / 17 >

この作品をシェア

pagetop