あの頃の君へ〜eternal love〜
『ってわけで…』



『俺は今思いっきりニートなわけよ。』



『なるほどねぇ…。』



仲村は俺の話にじっと耳を傾けながら
ロックグラスをくるくると回した。



正直、喧嘩相手の社員なんかより



バイトの俺の方が経験値も技術も
ずっと上だったと思う。



それを認めてくれた人も大勢いた。



だから、



たかがこんな喧嘩ごときで
自分が会社から見放されるとは…



思いもよらなかった。



『でもよ、武瑠。』



『結局、社員とバイト
っていう立場だとさ…』



『どうしたって最初に切られる
のはバイトなんだよなぁ〜。』



そう。身を持って分かった。



この世の中の厳しさが。
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