BEAST POLICE
ある夜。

鬼首は組の構成員達と共に、新宿のクラブで飲み明かしていた。

彼とて馬鹿ではない。

自分の首が多くの極道や警察に狙われている自覚はあっただろうが、同時に腕っ節に絶対の自信を持つ武闘派でもある。

野獣と称される巽と真っ向からの殴り合いをしても引けを取らないほどの男だ。

狙われているからと、臆病に組の事務所に隠れて大人しくしているような男ではなかった。

だが、そんな彼が大手を振って外を出歩くというのは、火種の元となる。

午前3時40分頃。

「……!」

クラブの外で張り込んでいた巽は、クラブの前に車が横付けされるのを目撃する。

ドアが開き、中から出てきたのは金属バットを持った10人ほどの目出し帽姿の男性グループ。

見るからに怪しげな集団だった。

< 123 / 490 >

この作品をシェア

pagetop