BEAST POLICE
とはいえ、かかってきた電話を無視する訳にもいかない。

巽は電話に出る。

「…もしもし」

『あ、巽さんですか?御無沙汰しています、向井です』

巽と久し振りに話せる事が嬉しいのだろうか。

環の声は僅かに弾んでいるように思えた。

「元気でやってるか?相変わらず雑誌のグラビアでよく見かけるぞ。胸またデカくなったんじゃないか?」

『もう…セクハラで訴えますよ?』

電話の向こうでクスッと笑う環。

「で…どうした?平の刑事と電話しているほど、売れっ子は暇じゃあないだろう」

『……』

それとなく用件を訊ねると、環は言葉を濁した。

『実は…刑事さんの巽さんに、ご相談に乗って頂きたい事がありまして…』

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