BEAST POLICE
じゃあなと軽く片手を上げて立ち去ろうとする巽に。

「あのっ!」

環は声をかける。

「お忙しくなければ、これからお茶でもどうですか?先日助けて頂いたお礼もまだですし…」

「刑事部長に言われなかったか?市民を守るのは俺達警察の仕事だ。礼なんてしなくていい」

やんわりと誘いを断る巽に。

「じゃあっ!」

意外と環は食い下がる。

「せめて連絡先だけでも交換しませんか?お暇な時にそちらから連絡頂ければ…」

「お前人の話聞いてたか?」

言いつつ巽は苦笑する。

「全く…お前アイドルなんだろう?こんな街中で逆ナンしてると思われるぞ?写真週刊誌にすっぱ抜かれたらどうすんだ」

スマホの番号を警察手帳に書き、ページを破って渡す巽に。

「借りは借りのまま終わらせない主義なんです」

環は悪戯っぽく笑いかけた。

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