LIARS-1seasonー
「…………こんな所で、何してる?」
唸るような低い声だが
どこか優しさを含んでいる様に思うのは、私だけか。
男は、私の目の前に立った。
190cmは、裕にあるだろう。
真っ黒の髪を、僅かに後ろに流し
鋭い切れ長のレッドアイが私を捉えた。
形の良い薄い唇から漏れる声は
何故か私の心を落ち着かせた。
「…………夜景を、見ているの。」
すると男は、私の隣に並んだ。
ふわっと香る柑橘系の匂いは、
香水なのだろうか。
「……俺もいいか?」
「ええ、勿論。」
私がそう言うと、男は微笑んだ。
「………名前は?」
「……ジャスミン。」
「ジャスミン、か。いい名前だな。」
純粋に嬉しかった。
それと同時に、もっと呼んで欲しいとも思った。