【リメイク前】大きな桜の木の下で【完】
*
登校時から放課後まで曽根くんに振り回されっぱなしで、散々な目に遭った日から一夜明けた日の部活終了後。
なぜか正面玄関にて曽根くんと待ち合わせしている私がいた。
この経緯を語るには遡ること約一日前、やっと気が済んだ曽根くんとゲームセンターを出ようとした時のことだ。
自動ドアを通ってふと目をやった先に、私が出品する予定の絵画展のポスターが貼られていた。
この場にはそぐわない物でもある気がするが、近くのビルが展示会場になるからまぁ不自然なことでもないのかな。
そう納得しながらつい歩み寄りポスターの前に立った私に曽根くんが首を傾げる。
「もしかしてこれに出すのか?」
私がうんと頷けば、今度は何を描くのかと訊ねられて「桜」と即答したら「ありきたりだな」なんて鼻で笑われた。
そりゃそれを承知の上で決めたことだから、そのコメントに対して異論は無い。
別にありきたりで結構だ、と思いつつも先を行こうとした私だけど、曽根くんが後ろから「なァ」と短く声をかけてきたので足を止めて振り返る。
目が合った曽根くんはニヤリと笑いながら口を開いた。
登校時から放課後まで曽根くんに振り回されっぱなしで、散々な目に遭った日から一夜明けた日の部活終了後。
なぜか正面玄関にて曽根くんと待ち合わせしている私がいた。
この経緯を語るには遡ること約一日前、やっと気が済んだ曽根くんとゲームセンターを出ようとした時のことだ。
自動ドアを通ってふと目をやった先に、私が出品する予定の絵画展のポスターが貼られていた。
この場にはそぐわない物でもある気がするが、近くのビルが展示会場になるからまぁ不自然なことでもないのかな。
そう納得しながらつい歩み寄りポスターの前に立った私に曽根くんが首を傾げる。
「もしかしてこれに出すのか?」
私がうんと頷けば、今度は何を描くのかと訊ねられて「桜」と即答したら「ありきたりだな」なんて鼻で笑われた。
そりゃそれを承知の上で決めたことだから、そのコメントに対して異論は無い。
別にありきたりで結構だ、と思いつつも先を行こうとした私だけど、曽根くんが後ろから「なァ」と短く声をかけてきたので足を止めて振り返る。
目が合った曽根くんはニヤリと笑いながら口を開いた。