【リメイク前】大きな桜の木の下で【完】
「ほら、さっさと降りろ」
「あ、うん」
当然正門は閉まっていたから、適当なところに自転車を止めて歩き出した桜夜くんのあとに続く。
てっきりよじ登って門を超えるとかアグレッシブな真似をしでかすかと思いきや、桜夜くんは黙って校舎の裏側に足を進めた。
そうか、向こう側は森になっていて門が途切れている箇所があるから、きっとそこが狙いなんだ。
自然を背景にした我が校だからこそ通用する策というわけだ。
それはさて置き、オカルトが苦手分野な私にとって今の状況は中々厳しいものでして。
以前資料にする桜夜を撮りに来た時はまだ薄暗かったから良かったけど、今は夜が更けているわけだし。
大半の人が就寝してて、世の中が静寂に包まれている時間帯というか……うん、要するにめちゃくちゃ怖いんです。
だからなるだけ早く用事を済ませてお家に帰してほしいんです。
「あ、うん」
当然正門は閉まっていたから、適当なところに自転車を止めて歩き出した桜夜くんのあとに続く。
てっきりよじ登って門を超えるとかアグレッシブな真似をしでかすかと思いきや、桜夜くんは黙って校舎の裏側に足を進めた。
そうか、向こう側は森になっていて門が途切れている箇所があるから、きっとそこが狙いなんだ。
自然を背景にした我が校だからこそ通用する策というわけだ。
それはさて置き、オカルトが苦手分野な私にとって今の状況は中々厳しいものでして。
以前資料にする桜夜を撮りに来た時はまだ薄暗かったから良かったけど、今は夜が更けているわけだし。
大半の人が就寝してて、世の中が静寂に包まれている時間帯というか……うん、要するにめちゃくちゃ怖いんです。
だからなるだけ早く用事を済ませてお家に帰してほしいんです。