こいおと。〜短編集〜
「んっ……しょ、う」

今まで否定してた言葉が、可愛い鳴き声へと変わる。

久々のキスは、どこかほろ苦くて。

長いキスの後、苦しそうに肩で息をする安藤。俺はふ、と笑って。

「ごめん。なんかもう限界かも。__だから、俺らのことバラさね?」

安藤は少しの間の後、OKしてくれた。
安藤の方も同じことを思っていたらしかった。

「他のクラスの女の子が、翔のこと言ってて……、嫉妬隠すの、大変だったんだから……」

今にも泣きそうな安藤の顔。
あーもう。可愛いな。

「……安藤ってDカップなの?」

「!!なんで知ってんのヘンタイ!」

「いって!」

それからの帰り道は、いつもより短く感じられた。
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