seasons.(シーズンズ)【完】
こうなれたのは夏枝ちゃんのおかげ。

あの時夏枝ちゃんが本気で叱ってくれたから、私は変われたの。

夏枝ちゃんは真っ暗な空間でひとり膝を抱えて座り込んでいた私に、温かい手を差し伸べてくれた救世主だよ。

小心者で内気な私だけど、もっと強い精神を持てるようになったら、このありがとうの気持ちを必ずなんらかの形で返すからね。


「夏休み何しようかしら?」

「加奈的には神社のお祭りとかみんなで行きたいな~」

「その案いただき!ねぇハルも行きたいでしょ?」


夏枝ちゃんがいつものノリで隣の席の長谷川くんに話題をふった。

ここまではいつも通り。

違うのはこの後。


「…………」


いつもなら明るく返答してくれる長谷川くん。

今日はぼんやり何か考え事でもしているようだった。


「ハル?」

「…………」

「ハルってば!」

「……ん?」


ポカと軽く頭を叩かれてやっと我に返る長谷川くんを、夏枝ちゃんは訝しい目付きで睨む。
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