seasons.(シーズンズ)【完】
「はい。僕達偶然にも講習を受ける塾が一緒だったんですよ」

「そ、そうなのそれだけなの!別に遊んでるとかじゃなくてただ勉強を……ね、あっくん?」

「……あっくん?」


誤解されないようにと必死に口を動かすも、口を滑らせ墓穴を掘る始末。

自らの顔が青ざめるのをを感じながら、私は更なる言い訳を続ける。


「あ、あだ名だよあだ名!堅苦しいから私が勝手に付けただけなの!」

「僕は普通に冬香と呼んでいるんですけどね」


なのにあっくんてばどうして私の苦労を無駄にするかなぁ。

せっかく作った砂のお城をザバーンって、たった一往復の波で崩された気分……。

どうせバレちゃうから、早めに白状して正解なのかもしれないけど。


「へ、へぇ~……仲良いわね二人とも」

「そ、そんなことないよっ」

「ていうかズルいわよ!ならあたしも講習行きたい!」

「勉強しなきゃなんだよ?」


問えばげんなりとした表情を露にする夏枝ちゃん。
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