seasons.(シーズンズ)【完】



次の日。

すっかり馴染みとなった講習会で、私は自らあっくんの隣の席を選んだ。


「あっくん」


名前を呼ぶと、らしからぬ気の抜けた表情を一瞬見せてから、すぐにニコリを微笑み掛けてきてくれた。


「冬香から声を掛けてくるなんて久し振りですね」


そうだね。神社祭り以降私から話しかけたことなんて一度もなかったもん。

じゃあなんでいきなり話し掛けたかって?


「いきなりで悪いんだけど、訊いてもいいかな?」

「なんでしょうか?」


そんなの決まってる。

今私の脳内を隙間なく埋め尽くしている話題。


「片桐涼人くんって知ってるかな?」

「同学年にそんな名前の方がいたと思いますが」

「訊き方が悪かったね。あっくんは彼と何らかの関わりがあるの?」


問えばあっくんは僅かに目を細めて俯いた。

周囲の話し声が少し鬱陶しい。


「……あるんだね」

「否定はしません。事実ですから」


困ったように肩をすくめるあっくん。

嘘を通そうとしない辺りは彼らしいとも思う。


「ほなみっていう子とも関係あるんだよね?」


疑問符を付けたのに今度は返答がなかった。
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