seasons.(シーズンズ)【完】

それぞれの聖夜

*春輝side


「じゃあ三時に現地集合ね!」


やってきましたクリスマスイヴ。

終業式が終わるなり、ナツはクリスマス会の準備があるからと、それだけ言い残してさっさと帰りやがった。


「なぁハル~、菓子何持ってこうか?」


ついさっきまで自らの通知表に絶望していたシゲが、るんるん気分で寄ってきた。

コイツの立ち直りの早さは尊敬に値する。

是非とも能天気馬鹿の称号を与えたい。


「アッキと米澤ちゃんはデートですか~い?」

「そんなところです」

「ひゅーひゅーラブいねぃっ」


そういや進藤はちゃっかり抜けがけしているんだったな。

いやはや若いって素晴らしい。


「長谷川くん。夏枝ちゃん達と楽しんできてね」

「そっちもな」


俺はお熱い二人を見送ってからシゲと教室を出た。

外は澄んだ晴れ模様だった。
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