seasons.(シーズンズ)【完】
だから私、あの時あなたを庇ったことをこれっぽっちも後悔してないよ。

寧ろこうしていなかったら、もっと自分のことを非難していたと思う。


「むむ。最近冬香、口が達者になったんじゃない?」

「有難いお言葉で」


それもこれも夏枝ちゃんが私を変えてくれたからじゃない。


「ね、せっかくお店に来たんだから何か食べよう!私チーズバーガーがいいな」

「じゃあ奢るわ!」

「だから気にしないでってば」


初めてまともに恩を返せた気がする。

夏枝ちゃんの役に立てて私は嬉しいよ。


「あたしアイス追加する!」

「どれだけ好きなんだよ~」

「冬香の次くらいに好き!」

「わぁい」


夏枝ちゃんが私の手を引いて階段へ向かう。

握られたその手からは、見えないけれど温かくて眩しいパワーが伝わってくるようだった。

芳賀夏枝ちゃん――可愛くて明るくて積極的で、私に足りないものばかり持ってるとっても素敵な女の子。

彼女は臆病な私を変えてくれた掛け替えのない大切な友人です。


「行くわよ冬香!」

「うんっ!」


これからもお互い親友としてよろしくね、夏枝ちゃん。
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