君と夢見るエクスプレス
会いたかった、と言ってくれた彼を信じたい。
「どうして駅員として入社したのです? プロジェクトに参加するなら、企画開発室へ配属すればいいでしょう?」
「それは橘君の意思を尊重したからだ、運輸部門での営業職を経験したいと彼が望んだ」
「彼の意思と言いますが、彼はずっと当社に居るつもりはないのでしょう?」
「それはまだわからない、当面はプロジェクトへの参加が目的だ」
二人の会話が、徐々に熱を帯びてくる。
姫野さんが苛立ちを露わにしながら、大きく息を吐いた。
「ホテル側に有利になるよう進めるためですか? だから黙っている必要があったんでしょう?」
確かに、そうかもしれない。
ホテル側の人間だと知られない方が、反感を買わずに済む。あからさまな対立を避けることもできる。
こっそりと、プロジェクトを有利に進めることも可能だ。
「それはない、あくまでも主導は当社だ。どちらにも不利益にならないよう進めている」
「こんな言い方したくなかったんですが、最初から怪しいと思ったんですよ」
椅子に背中を預けて、姫野さんが声を荒げる。