君と夢見るエクスプレス

だけど、私は駅員室の出入口に突っ立っているだけ。制服を着てるわけじゃないし、制帽も被っていない。



一応スーツを着て、社員証を首からぶら下げて社章を着けてるけど。社章なんて左胸にくっついてる小さなバッジだから、あんなところから見えるはずない。



それだけなのに、間違える?
どう見たら、私を駅員だと思う?



ちょっとちょっと……
お願いだから、こっちに来ないで。



私、英語はとくに苦手だったのに……



心の中ではかなりオロオロしているけれど、顔に出すこともできずにポーカーフェイス。鼓動が速くなって、胸が押し潰されそう。



せめて私は、彼らと目を合わせないようにコンコースを眺めるしかない。



でも、彼らはどんどん近づいてきて……
ついに私を取り囲むようにして、止まった。



もはや、逃げることも叶わない。



皆一様に口元には笑みを浮かべて、私をまじまじと見つめる目の色が怖い。



彼らのうちのひとりが、ゆっくりと口を開く。やたら舌を巻いた、聞いたことのない音が洩れ聞こえてくる。



ねえ、何を言ってるの?



私に、何を求めようとしてるの?


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