間違いからはじまる
私は後ろから都築に抱き締められている為、ベッドから出ることも出来ない。流されてこの男とまた関係を持ってしまった後悔にさいなまれている。
本気で抵抗すれば逃げる事も可能だったのに、本能に身を委ねてしまった自分が憎い。
そしてヤツの手はずっと私の肩から腕にかけてを優しく撫でている。情事後の都築ってこんなヤツなのか?
性格はかなり歪んでるくせに情事の後は甘い男だなんて吐き気がする。
「帰る」
「ダメだ」
「離して」
「やだね」
やだねって…子供か!とツッコミ入れたくなったのを抑えた所に都築からのキス。
うなじに唇が触れ何度も何度も繰り返される。手はいつの間にか胸に回り優しく動き始めた。
「ちょ、…やめ…あっ」
「お前がなんと言おうと、もう離さねーよ」
性格は未だに許せないが都築との体の相性はかなりよいと思う。このまま流されてみるのもいいかもしれないと愛撫を受けながら考える。
結局、私もただの安っぽい女だったのだ。
体から始まる。それもいいじゃないか。
FIN
