アイツ限定


入った…。

センターラインから打ったのに。



「…ふぅ…。」



村上は満足そうな顔をして、リング下のあたしのほうに近づいてきた。



「お前、今日から俺の彼女な。」



そういって、村上はあたしの前に立って、あたしの頭を軽くなでた。

途端に赤くなるあたしの顔。

思わず、下を向いてしまう。



「あ…やっべ…。後1分で2限目始まるじゃねぇか。」



あ…そうだった。


あたしたち、授業サボってるんだった。



「え、どうしよ。」



「1分じゃ間に合わねぇよな。」



「うん。どうする?2限目さぼっちゃう?」



あたしは、ニヤッと笑って、村上を見た。

すると、村上も、フッと笑った。



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