アイツ限定
信頼できる仲間と信頼できるバスケ。
一時の、その場限りのチームだけれど、1人1人が協力し合って、自分が今何ができるか、何をしなければいけないかを考え、実行する。
簡単そうで、実際にやってみると難しい。
だけど、皆にはそれができる。
このチームは、確かに個々の能力は平凡。
だけど、雰囲気はいいなって思った。
だから、あたしは強くしたいって思えた。
たぶん、村上もそうだと思う。
だからあの時、部長にあそこまで言って、入りたいっていったんだと思う。
今、きっと村上は楽しんでる。
心の底から、バスケを楽しんでる。
それをあたしは支え続けたいって思った。
見守りたいって思った。
行こう。
あたしたちならきっといける気がするんだ。
険しい道のりだと思うけど、きっといつかは、たどり着くと思う。
たどり着くと信じている。
この仲間となら。
きっと……
「……鍛えがいがありそうじゃねぇか。」
ニヤニヤと雅人が笑いながら、独り言のようにつぶやいた。
「……連れて行ってよ。あたしたちをてっぺんに。」
「ああ…。俺に任しとけ。」
ほら、道が見えた。