アイツ限定
__ドサッ……
その瞬間男はあっけなくバランスを崩して、道端に倒れこむ。
あたしは、少し、乱れた服装を整えて、再び歩き出した。
よかった、今日はスカートなんてはいてこなくて。
「おい、あの女の子、あの男一瞬で倒しやがった」
「……いやぁ~……。見事な大外刈りだったわね」
さっきの始終を見ていた奴が、小声でひそひそそんなことを言っているのが聞こえる。
それでもあたしは、気にせず今日も歩く。
あたしは……
もう、弱くない。
もう、あんな目にはあわないように。
あたしは、強くなければいけない。
誰よりも……