アイツ限定
村上は一瞬戸惑ったように思えたが、最後には「俺に勝てると思ってんのか?」なんて意地悪なことを言って来る。
あのころのあたしとは違うんだから。
これでもY中の4番を背負ったあたし。
T中の男子であろうが、少しは相手になるはず。
「なめてかかると痛い目見るんだから。」
あたしは、村上の隣にいき、ニヤッとわらってみる。
「それは楽しみじゃねぇか。」
真っ青な青空と、真っ青な海だけがあたしたちを見ていた。
この空と海のように、あたしも村上を包み込めるような人になりたい。
__もう、あたしは逃げない。人を信じるということから。