あの日のナミダ



今日は始業式で、初めからサボるつもりだったから遅れて行った。
それで何となく裏庭のベンチに行ったら、先客が居た。


女。


でも、そこは俺やツレの皐月が座るっていう暗黙の了解があるから、滅多に誰も座らない。
こいつ、見たことねぇし、新入生か??

そんな事を思いながら、ある程度距離を取りつつそいつの顔を見てみると…すげぇ整った顔をしていた。


華奢な体に、小さな顔。
肌はキメ細かくて、ニキビやシミもないし。
俺が嫌いな厚化粧でもない。
てか、化粧っけすらない。
睫毛が長く、綺麗に筋の通った高い鼻に、薄過ぎず厚過ぎない綺麗なピンク色の唇…って俺は変態か。
俺は女が嫌いだが、こいつに嫌悪感は湧かなかった。

綺麗な胸くらいまでの長い黒髪。
枝毛とか全くないだろう。



< 16 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop