俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


それは、絶対に聞きたくない言葉だった。

ウソでもいいから誤魔化して欲しかったのに…。

「だけど、それは香乃子が思ってる…」

「それ以上、言わないで。聞きたくない」

思わず遮ってしまった。

これ以上、傷つきたくなくて、真実を聞くのがイヤだ。

だけど、亮平は話を続けようとする。

「香乃子、ちゃんと聞けよ。オレは早川から…」

そう言いかけた時、オフィスのドアが開き、住吉さんが入ってきたのだった。

「おはようございます」

「おはよう」

話は必然と中断し、亮平は何事もなかった様にオフィスを出て行った。

それを見計らった後、住吉さんが駆け寄って来た。

「もしかして、編集長ってまた泊まり込み?」

「うん。みたいよ」

ぎこちないながらも笑みを浮かべ答えると、「大変ねぇ」と住吉さんは肩をすくめる。

こういう時、無精髭姿の亮平は、今までなら鬱陶しいと言われてるところなのに、そうじゃなくなってるのだから、さすが早川さんなのかもしれない。

だからなの?だから、早川さんとキスしたの?

頭の中が『どうして?』でいっぱいになった頃、

「ねえ、平瀬さん。ところで早川さんて朝いた?」

と聞かれ、心臓が止まりそうなほど驚いた。
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