俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


「……もうすぐ約束の時間だから、わたし行くね」

まだ少しクラクラしながらベッドを降りると、服を着替えヘアスタイルを整える。

鏡に映る顔は、涙でメイクが崩れてしまっていた。

あーあ。目も腫れてしまって最悪だわ。

「マジで行くんだ?」

メイクを直していると、亮平は上半身裸のままベッドから降りてきた。

今まで、亮平に近付かれて怖いと思ったことはないのに、鳥肌が立ちそうになる。

「だって、話さなきゃいけないことがあるんだもん。この間は、わたしを信じてくれるって言ったじゃない。何で、そんなに引き止めようとするの?」

「確かに言ったよ。だけど、心底納得できたわけじゃない。あんなに堂々と、彼女が他の男と約束してて、気分のいいものじゃないだろ?」

「それは、そうだけど…」

亮平の言うことも最もで、わたしの行動が軽はずみなのは分かってる。

だけど、修司さんと話をしないと、亮平の誤解も解けない。

だから、ここは半ば強引に出て行こう。

そう思って無理矢理ドアを開けようとすると、やっぱり腕を掴まれた。

「何で行くんだよ、香乃子」

「離して!」

ちゃんと話してくるから、今夜は見逃してよ。

ついイライラしてしまったわたしは、苦し紛れな言葉を吐いていた。

「そんなに束縛されたらウンザリなんだけど」
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