俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


「は、はぁ…」

偶然といえば偶然だけど、わたしにとってはロマンチックな意味は一つもない。

それにしても、修司さんは突然わたしを紹介されるなんて聞かされて、イヤじゃないのか。

「あの、ご迷惑なら食事の件は断ってください。いろんな偶然が重なって決まっただけなので」

というか、むしろ断って欲しい。

修司さんが断ってくれれば、角が立たないのだから。

だけど、修司さんはゆっくりと首を振った。

「全然、迷惑じゃないよ。むしろ楽しみなくらいだから。それより、何か探し物?」

「えっと、ちょっとキーホルダーを。でも、大丈夫です」

ダメだ。

時間もないし、これ以上は探せない。

後で絵美さんに電話して、落ちていないか聞いてみよう。

「本当に大丈夫?随分、探してたみたいだったけど」

「大丈夫です。これから会社に戻るので、失礼します」

これ以上、修司さんと絡むのもマズイ気がする。

その場を逃げるように立ち去ろうとすると、呼び止められてしまった。

「車で送るよ。その方が早いだろ?出版社の入ってるビルだよね?」
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