俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


出会った回数は二回。

時間に直すと約30分。

その修司さんに、結局車で会社まで送ってもらってしまった。

「ありがとうございます、修司さん」

「いや、全然。オレも、今からまだ行くところがあるから。じゃあ、また」

「はい。ありがとうございました」

どうやら、修司さんも仕事が忙しい人らしい。

会釈をし車を降りると、一応見えなくなるまで見送ってみる。

まさか、修司さんと出会うとは思わずビックリだ。

だけど、今のわたしにはキーホルダーが大事。

早く絵美さんに電話をしなくちゃ。

身を翻しビルへ入ろうとしたところで、これまた偶然にも編集長と顔を合わせてしまった。

だけど、この偶然はかなり嬉しい。

と同時に気まずくもあった。

何せ、さっき後味悪く別れているのだから。

「編集長、どこかにお出かけですか?」

おずおずと聞いてみると、編集長の顔はこの上なく不機嫌で、まるでわたしを見下ろす様な目つきで見ている。

「いや、別に。それより、平瀬の用事って修司さんに会うことだったのか。随分、仲がいいんだな」

「えっ!?」
< 97 / 246 >

この作品をシェア

pagetop