俺様編集長サマにLOVE NONSTOP！

そんな訳が、あるばずもない。

だいたい、さっきまで修司さんのフルネームすら知らなかったのに。

それに、エレベーターで出くわしただけのことだと、編集長だって分かっているはずだ。

「違います！誤解です。さっき、偶然会ったんですよ」

必死で言い訳をするも、編集長は「どうだか」と呟いている。

「だいたい、偶然出会ったにしては、遅くないか？車なら10分もかからないだろ？」

「それは…」

まさか、キーホルダーを探していたとは言えない。

それも、まだ見つかってないというのに。

「どっちにしろ、オレには関係ないけど。今度から、会いたければ仕事中以外に会えよ」

そんな冷たい言葉に、泣きそうになる。

関係ないって、そんなハッキリ言わなくてもいいじゃない。

そんなに、わたしの行動が鼻につくわけ？

「信じてくれないんですね、編集長。もういいです」

本当にヒドイよ、編集長。

足早に側を通り過ぎると、オフィスへ戻った。

そんなに早川さんがいいなら、親会社へ行っちゃえばいいじゃない。