極道一家のマヤ
「それにしてなんでまた、社家にいきなり追い出されたんだ?」
美都場が不思議そうに聞いてくる。
「実はなんか最近、ある組と社家が対立してるらしくて……」
「ある組……?」
「うん。確か……」
何日も前の、律子の言葉を必死に思い出す。
「『川崎組』……とかって言ってた……」
「川崎組か……聞いたことあんな」
「えっ」
どうして、知って……
「もちろん見たことはねえけどさ。確かあれだろ?社家の次に最強とかって言われてる組」
極道とは関係ない、美都場でさえも知っているという川崎組……。
まあ、それなりに有名な組織ではあるんだろうけど……。
「ふーん、なるほどな。簡単に言やあ、お前んとこの社組は今、大変なことになってるわけだ。そんでマヤは邪魔だと……」
「うっ……」
そんな、はっきり「邪魔」と言わなくても……
「わ、私だって一応、社家のためにやれることはやろうとしたんだよ?」