恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
「え?そんな顔してましたか?」


「うん、してる。下心はないから、安心してね。僕、恋人いるし」


恋人。
……そうなんだ。
なんとなく、いるのかなとは思っていたけれど。

越谷さんの柔らかな口調に、私は肩の力を抜く。

すると越谷さんが言う。


「僕の恋人ね、相模課長なんだ」


「え?はぁッ!?」


私は場に似つかわしくない叫びをあげ、慌てて口を押さえた。

相模課長って一課のだよね。
独身だけど、男性だよね。
越谷さんも男性で……。


「あれ?僕のゲイ疑惑、有名でしょ?」


越谷さんはのほほんと言う。

そりゃ、有名な疑惑でしたけど、まさか本当とは。
しかも社内恋愛で、相手はイケメン相模課長だなんて……。
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