恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
「琴、ありがとう。迎えにきてくれて。そばにいてくれて」


弱った声だった。
私は寛の短い髪を手で鋤く。


「私もちょうど寛に会いたいと思ってたんだよ」


「琴は俺を大事だって言ってくれただろう?俺だって琴が一番大事」


「寛、ありがと」


「酔っぱらってるけど、本音だからな。ずっと、おまえが一番大事だった。友情とか恋とかの垣根を越えて。
俺たちがくっつかない理由をよく周りに聞かれたけど、そんなこと聞くなよって思ってた」


「なんで?」


「俺は琴と家族みたいにずっと一緒にいたいから。恋愛とかいつか終わりそうなモンに縛られたくなかった」


「寛、あんた」
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