恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
「そんなら、こうしてずっと友達がいい。何かあった時は駆けつけてそばにいてくれる」


私は涙が出そうになった。

なんだ、私のひとりよがりじゃなかったんだ。
寛も同じ気持ちだったんだ。


「寛のバカ。泣かせんな」


私が目をこすっていると、寛が顔をあげた。


「泣いてんの?」


「嬉し泣き」


寛がベッドの上にのぼってきた。
私の目尻を親指が撫でる。
手のひらが私の頬に押し当てられる。


気持ちいい温度。

私は思わず目をつぶった。
深い意味はなかった。ただ、心地よさに身を委ねたくなったのだ。
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