恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
私だけのものにしたい。
今ならそれが叶う。

友達だけど、家族みたいな存在だけど、
絶対寝ちゃいけない人だけど。


「寛、いいよ」


私は寛を見上げ、その頬を両手で包んだ。


「今日はツラいこといっぱいあったもんね。特別」


「琴」


「寛のしたいことしていいよ」


寛が私の唇に自分のそれを重ねた。
そこからキスが激しさを増していくのに時間はかからなかった。


「琴、そばにいてくれ。どこにもいかないでくれ。おまえだけは」


「寛……そばにいる。大丈夫……」


奪うように、貪るように、
一方ですがるように、
寛は私を抱いた。


後悔することはわかっていた。





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