恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
暫時、
唇に何かが触れた。

それが、寛の唇だと気付く。

私は瞳をこじ開け、寛の肩をグイと押しやった。


「寛、これはトモダチの距離じゃないよ」


「知ってる」


目の前にいる寛は酔っているはずだった。
それが、静かな空気をまとって、私を見ている。
その向こうに垣間見える情熱。


「寛」


寛の手が私の腰を引き寄せた。
ベッドに上で抱き締められる。


「悪い。大事っつーリミッターがちょっと振り切れてるみたい」


寛は今、私を抱きたいと思ってる。
それがわかる。

そして、私も今、死ぬほど寛が欲しいと思ってる。

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