恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
「琴は?今の彼氏とそういう話にならないのかよ」
寛に聞かれ、私は一瞬言いよどむ。
「なんないよ。つか、私がまだ結婚とか考えらんない」
結婚を考えられないのは事実だ。
私は社内に4人しかいない女性の総合職、つまり営業職だ。
転勤もあるし、仕事は男性社員と遜色なくこなしている。
寛には言っていない理由があるにしたって、結婚はありえない。
「そっか、もし結婚の話が出たら、真っ先に俺に教えろよ?俺は琴が選んだ男を面接しなきゃなんないんだから」
「バーカ。あんたはお父さんかっつうの」
「似たようなもんだろ」
私が笑い、寛も笑った。
胸がちりっと痛む。
寛が結婚する。
私ひとりの寛じゃなくなる。
この痛みはただの寂しさだ
寛に聞かれ、私は一瞬言いよどむ。
「なんないよ。つか、私がまだ結婚とか考えらんない」
結婚を考えられないのは事実だ。
私は社内に4人しかいない女性の総合職、つまり営業職だ。
転勤もあるし、仕事は男性社員と遜色なくこなしている。
寛には言っていない理由があるにしたって、結婚はありえない。
「そっか、もし結婚の話が出たら、真っ先に俺に教えろよ?俺は琴が選んだ男を面接しなきゃなんないんだから」
「バーカ。あんたはお父さんかっつうの」
「似たようなもんだろ」
私が笑い、寛も笑った。
胸がちりっと痛む。
寛が結婚する。
私ひとりの寛じゃなくなる。
この痛みはただの寂しさだ