ただ、君の隣にいたいだけ
「・・・はい。また缶で悪いけどどこか入って話すのも嫌でしょ?」



連れて来られたのは駅近くの小さな公園。ベンチと滑り台しかない。亮輔さんは私を座らせた後、近くの自動販売機で缶ジュースを二本買ってきて一本を私に渡してくれた。


そして、彼も何も言わず、プルタブを開けジュースを流し込んでいた。何を言えばいいのかわからなくて渡された缶ジュースを持ったまま私はただ俯くだけ。



どうしよう、亮輔さんに迷惑また掛けちゃった。



「・・・あれ、買うつもりだったんだ?どうして、黙ってた?相手、俺だろ?」



迷惑だと思ったから。言い掛けた言葉を飲み込んで沈黙を貫く。今は何を言っても亮輔さんを怒らせるだけだから。


はあっと横で大きなため息が聞こえてやっぱり亮輔さんは嫌だったんだと実感させられる。



そう、だよね。これから夢を叶えるために上京するって決めているのに妊娠しているかもしれないなんて迷惑以外の何物でもない。
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