オトナになるまで待たないで
「せやったら、どうしてるん?オトンなんて、どうもならんやろ」

「お父さんは、出稼ぎっていうか…普段はいないから、一人暮らしじゃないんだけど、一人っていうか」


マスカラのせいかな。

まぶたがムズカユい。


「でもお盆には帰ってくるんじゃないかな」



あ、あ、あ、あ、
ゴウが引きつったように喘いでいる。


「アホかーっ!」


凄まじい声に、周囲が振り返る。



「ちょ、ちょっと声…」

「アンタ、アホちゃうかあ!?何でソレを早く言わへんの!?」

「ええ~?」

「アンタ、この一週間1人で全部やっとったん!?」

「ゴウが送り迎えを…」

「そんなんいらんねんっ!」

「もう。タダの大阪のオバサンだよ…」

「大阪ちゃう!京都やっ!」


知らねーし。



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