オトナになるまで待たないで
バスがゆっくりとロータリーを回る。

カーテンを開けて、お父さんを見た。


もう歩き去ろうとしている。


―止めて下さい!―

って言いそうになった。


今すぐ降りて、お父さんと暮らすべきだ。


だけど、声が出なかった。



アサちゃんに行くんだといいな…。

どっかのベンチに座りこむんじゃなくて。


女将さんの方言に、笑いながら頷いてるんだといいな…。

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