オトナになるまで待たないで
誰だろう?オトナの男の人だ。



見上げたフロアは、目指す7階。


そこに見知らぬ男性が立っていて、私を見下ろしている。



目が鋭い。

浅黒い肌に、くっきりとした二重まぶた。

閉じられた唇は、頑固そうにも傲慢そうにも見えた。




関わりたくないタイプ。



私はダンボールの群れから無理やり抜け出し、スカートを押さえて階段を登った。



「お、お早うございます」

職場では昼だろうと夜だろうと、こう言う。

相手は答えない。

本当に誰なんだろう。



とにかく今はタイムカードが先だ!


男性の脇をすり抜け、店内に入ろとしたその時、

肩を掴まれ、その場に止められた。
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