オトナになるまで待たないで

「靴脱いで」


薄暗い建物の中を見た途端、ギュッと心臓がつぶれた。


「なない!」

「あ…」

「なないの!」


私は回れ右をして、逃げようとした。

トウマくんが、私を抱き留めた。

それを振り払おうとしたけど、動けない。

「らなあい!!らないよ!!」

「分かった!分かった分かった!」
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