涙色の空をキミに。








ぎゅっと握りしめた手を机の下に隠す。








でも、言ったところで、私に何が出来た?









理緒と私で言っていることが違うのは明白だし、クラスのみんながどっちを"真実"として支持するか、といったら、確実に理緒だろう。









言ったところで私の居場所が、余計に無くなるだけだ。









…気付いたら終わっていた朝の会の間、ぼんやりそんなことを考えていた。









「1校時から体育だよお〜、お腹空くって!」







「あ、着替えなきゃだね。」








振り返って私の席に項垂れる彩に、そう言って鞄から体育着を取り出す。








…体育はトレーニングもあるから早く着替えないと、1人で体育館内を走ったり、腹筋などをすることになる。








ここでも、グループで行動しなきゃならない。








「今日も集団行動かな〜?早くバスケやりたいって感じ!」






「4月中は集団行動で終わりそうだよね、新学期だし仕方ないって言われたらそうなんだけどさ。」








席が少し遠い夏芽も私の席にやってきて、2人の会話を着替えながら聞く。








私達の学校は、新学期の最初に、リーダーのかけ声で整列をしたり方向転換をしたりする集団行動が行われる。








…本当、この世界の構図すぎて思わず笑ってしまいそう。








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