冷酷な彼は孤独な獣医
夕方になると、龍は入院動物の所へ行く。



「おい腰抜け!買い物に行くから準備してろ!」


あたしはチップの帝王切開を見ていられなかった事から、

最近では龍に"腰抜け"と呼ばれていて………


「ちょっと!腰抜けって呼ばないでよ!」


でも、それは事実で………


「本当の事だろ」


「…………」


そう言われると、なにも言い返せない。


あたしは買い物へ行く支度をすると、

龍と一緒に家を出た。



すると、駐車場に一台の車が停まっている。


「あれって……龍のお兄ちゃんの車だよね?」


「…………」


龍は黙ったまま立ち止まる。


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