冷酷な彼は孤独な獣医
「なんだ、ボスに話してたのか」


「龍!……今の話、聞いてたの?」


あたしが焦って聞くと、龍は手に持った袋をダイニングテーブルの上に置く。


「なに焦ってるんだお前?

ボスに、俺の文句でも言ってたのか?」



話の内容は聞こえていなかった様で、

あたしはとりあえず安心した。


「別に文句なんて言ってないよ」


すると龍は、少し笑いながら話す。


「ボスは口が堅いからな。

俺の文句を話すには最高の相手だ」


「…………確かにね」

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