LOVE・ホテルに行こう。
約束通り智子と昼休みに屋上に上がって来た。


陰になってたベンチにアイスコーヒー片手に座った。


「田村君がなんで美久の電話番号を朝の7時に私に聞いてくる理由があるわけ?田村君に聞いても仕事の事で急用があってってわざとらしい嘘つくし。課も違うあんたに仕事の急用って何よって思ったけど切羽詰まった感じだったし田村君の性格からして変な方向には行かないだろうってあんたの番号教えたけど、やっぱり気になるじゃない」


「…う~ん」


「ほらっ、はいちゃったら楽になるから」


智子とは同期。付き合いは早5年半。
元彼も智子主催の合コンで出会った。


私の恋愛の一から十まで知ってる仲。
そんな智子には下手なウソは通用しない。
諦めてあの日の事を話す事にした。


「それって美久が誘惑したって事?」


「誘惑って…」


「美久にそんな魔性な部分があったとは。まだまだあんたの知らない所があったなんて」


「誘惑とか魔性とか…酷いな」


確かに端からしたらそう思うだろう。
これが他人の話しだったら私もそう思うだろうな。


「それはそうと、どうだったのよ?」


肘で私をツツク智子。


「どうって何が?」










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