芸能人と恋に落ちました。
「お取り込み中にごめんなさいね」
えっ誰⁉︎ 後ろを振り向くとそこには莉羽ちゃんがいた
「莉羽ちゃん…もしかして…見てた? 」
「ばっちり」
恥ずかしいっ!
キスしてるの見られたんだよね…
こんなにも動揺するものなのか…
「蒼樹くん,ちょっと席を外してくれる? あたし未來と話がしたいの」
私と…話?
なにか話すような事あったっけ?
「は?あぁ、未來大丈夫か?」
「うん…多分大丈夫だと思う」
「心配しないで? 未來をいじめたりしないから」
「なんかあったらすぐ呼べよ」
「わかった」
『パタン』
蒼行っちゃった…
すぐに戻ってくる事を知ってるのに離れてる時間が惜しい
「蒼樹くんが行っちゃって寂しそうね」
顔に出てたんだろうか
莉羽ちゃんの言う通り,図星だ
「話したいことって何かな? 」
「…あたしね,ここに転校する前にあなた達がさっきみたいにキスしてる所をみた事があるの」
嘘…
私達が屋上に来たのは2回目
ってことは聖奈や友夏に蒼と付き合ってることを言った時に見られてたってこと?
けど,どうして?
「その時,転校手続きをしてたの。手続きが終了してちょっと校内を回ってみたら?って話になって空を見上げたら窓からあなた達がいるのが見えたの」
「そうだったんだ…」
「…今だから言うけどあたしその時,蒼樹くんの事好きだったの」
莉羽ちゃんが蒼の事を…スキ?
莉羽ちゃんがライバルになったら私勝てないよ
「今も…? 」
「大丈夫,今は好きじゃないっていうか諦めた。最初は未來から蒼樹くんを奪ってやろうって思ってた。だからわざと未來の席の隣に座ったの。敵対心むきだしでしょ? 」
アハハと乾いた声で莉羽ちゃんは笑った
「本当に好きだったんだ」
「そうだったんだね」
「…あたし嫌な女でしょ? 」
「好きな人のためなら何だってする、私だってやるかもしれない」
「…でもあなた達の間には少しも隙間なんてなかった。意地でも引き離したいって思ってたけどお互いが必要としてた,もうこの人しかいないって言ってるみたいだった。今じゃ珍しいよ? 」