短編集‥*.°






次の日は、一人で登校した。


学校につくと、嫌でも
あいつの顔を見ることになる。


…朝早く来たはずなのに、なぜか
あいつは居て。


…一度、目があって…ゆっくりと、
視線をそらされた。


…なんでよ。


どうしてそんなこと、すんの。


…嫌いなはずで、絶交をしたけど、
やっぱりちょっと寂しくて。


…わたしが、何をしたの?


小学校から高校までずっと一緒に
いるけど、心当たりなんて、なかった。


窓際の後ろ。


そこが、わたしの席。


そこからは、曇り空がよく見渡せた。


ナツのことは、わたしが一番よく
わかってる…と、思っていた。


実際は、何も
わかっていなかったのかもしれない。


きっと、そうだ。


本当に、なんでだろう。


わたしは、何をしたっけ。


最近あったことといえば、わたし以外の
不良っぽい友達に誘われて、ナツが
髪を染めたくらい。


ナツの方に目をやる。


ナツは、席に座ってぼうっとしてて、
その周りを金髪や茶髪の女子が、
囲んでいる。


ナツは良いよ。


まだ、友達がいるんだから。


わたしなんて人見知りだから、高校に
入って一ヶ月の今も、他のクラスにしか
友達はいない。


――ナツだけが、親友だったのに。


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