短編集‥*.°
お弁当を食べた後、
マリネは彼氏に会いに行き、
屋上は私一人になった。
見上げて目に映るのは、
やっぱり変わる事のない色…。
身体に当たるのは、
涼しくも生暖かい風。
もうすぐ雨でも降るのかな?
…立ち上がると、
屋上の突き出た部分にかけられた
梯子へと近寄った。
タン、タン…と音を立てて登る。
梯子を登った先、そこには、
十六平方メートルほどの広さの空間。
そこに寝転び、
深く目をつぶった。
なんだか、
とても憂鬱で。
私と言えば…
特に弾ける事もなく、
至って普通の真面目ちゃん…かな。
性格は悪い。
からかいにからかいで返すような、
そんな性格だ。
前にからかわれた時も、
ずっとからかい返していた。
…友達は少ないけど、
その一人一人は仲が良いから、
まだ大丈夫。
でも、親友の一人、
マリネはいずれ私から
離れていくのだろうか。
…怖いなぁ…。
他の二人にも彼氏はいる、けど
私に付き合ってくれたりもする。
それが段々 迷惑だって事も
解ってきた。
…でも…。
この生活が、これ以上…
つまらなくなりませんように…。
ふわりと、軽い眠気が襲ってきて…
その流れに身を任せた。
これから、五限目が始まる…けれど、
一度だけで良いから。
…サボってみようかな。
何かが変わるかもしれない。
…そんな気がした——。